ミス・ブランチ

作家:倉俣史朗

大阪市中之島美術館収蔵

「ミス・ブランチ」という名前の椅子。

インテリアの仕事を始めた頃か?もしかしたらまだ学生だったかもしれません。

教科書を読んでも、雑誌を開いても、何もかもが新鮮でドキドキする毎日。

そんな頃、これ以上のドキドキは、もうこの先ないんじゃないか!と思ったほど衝撃だった作品です。

水に見立てたアクリルの中で、真っ赤なバラを一瞬で閉じ込めたとてもドラマチックな作品。

ふわっと軽いはずの花びらが 水面に浮かんでいくまでの一瞬を見ているようで

そこだけ時が止まっているような不思議な感覚になりました。

先日、新しい中之島美術館で再会できました。

やっぱり、あの時受けた衝撃は今でも同じでした。

「ミス・ブランチ」という名前は、テネシー・ウィリアムズ原作の「欲望という名の電車」の主人公の名前だそうです。