暮らしやすい間取りのポイントとは

リノベーション

お客様と打ち合わせが始まると、「暮らしやすい間取りにしたいけど、どうしたらいいか分からない」というご相談を受けます。
私の答えはたった2つ……「シンプルな動線」と「使いやすい収納」を意識したプランを作ること。

  1. 動線:家事動線と生活動線をシンプルに!
  2. 収納

というわけで収納については、後日。
今回は、動線(動線とは、家の中での人の動きを追ってなぞった線を指します)についてまとめました。

1.動線は大きく2種類に分けて考える

「生活動線」リビングやトイレ・キッチンなど生活のため人が移動する仕方を繋いだ線。
「家事動線」掃除や料理などのための移動の仕方を繋いだ線。
この繋いだ線がぐちゃぐちゃに絡まるようなら、人の動きが複雑になり移動にも時間がかります。反対に、繋いだ線がシンプルで短ければ人は最短距離で移動できるということです。
私は、間取りを考えている間も間取り図ができあがった時も、色違いのペンを使い分けて、無駄な動きがないかチェックします。

2.「生活動線」玄関~リビング

生活動線のチェックポイントは距離です。移動距離が短いと疲れにくく、暮らしやすさにつながります。玄関からリビングの動線の長さは玄関が北入り、南入り、東入りなど方角によって変わってきます。
例えば、北側にキッチンを配置すると、南入り玄関の場合は、買い物から帰って重い荷物を運ぶ動線が長くなり少々不便を感じるかもしれません。

3. 「生活動線」リビング~トイレ

トイレは、一日に何回も行き来するので、できるだけリビング近くに配置すると動線が短くなり、移動も楽です。

4. 「生活動線」洗面室

特に朝の時間帯に、家族一斉に利用が始まるので、待っている間にトイレに行く、着替えるなど他の身支度ができると時間のロスがありません。家族共用のクロゼット

3. 「家事動線」 キッチン

家事動線はキッチンがポイント。朝昼夕食を自宅で食べると家事の中でキッチンの滞在時間が一番長くなるからです。
私はキッチンの使い勝手の善し悪しを知るのに「レモンティーを作ると想定してみる」ことをお勧めしています。

冷蔵庫からレモンを取り出す

水道水で洗う

包丁で皮を剥いて切り分ける

やかんに水を注いでコンロで沸かす

その間にティーカップやスプーンを食器棚から取り出してセッティングする

茶葉を入れる

お湯を注ぐ

ダイニングへ紅茶を運ぶ。

この一連の動線が絡まることなくスムーズに描けたら、そのキッチンの動線は合格だと言われています。
私はずっと何年もこの方法でプランを確認しています。

4. 「家事動線」 キッチン~脱衣洗面室

キッチンは家事の基地です。
キッチンからトイレや脱衣室に移動して掃除や洗濯をするので、キッチンからトイレや脱衣室への動線も短ければ短いほど快適に家事をこなすことができると言えるでしょう。

そして忘れてはならないのが、その家事と家事の間にドアがあるかどうかです。
ドアがあるとワンアクションとはいえ開け閉めの手間が増えて、快適とはいえません。

5.「家事動線」 掃除

動線をシンプルに短くすると、もうひとつメリットがあります。
それは、片付けやすく、掃除しやすくなるということです。
一戸建ては、下から上階へと縦の動線も加わります。
主婦にとっての家事の時短は大きなメリットですね。

リフォーム・リノベーションの工夫次第では家事時短や生活動線の改善も可能なので、諦めずにご相談ください。
今日もすてきな一日になりますように。